【味の三平】札幌みそラーメンのルーツはここにたどり着く

三平の味噌ラーメン1 ラーメン

北海道旅行で食べたいグルメを聞くと大抵は魚介類、すし、ジンギスカン、そして札幌みそラーメンが上がってきます。
それだけの知名度と全国的に人気のある札幌のみそラーメンは、東京や博多、喜多方などと比較されるほど独自のラーメン都市として認知されてますね。

ラードがたっぷり浮いたアツアツの味噌スープと黄色い縮れ麺。

今回は誰もが一度は食べたことがある札幌みそラーメンの原点、はじまりの店とされる「味の三平」に行ってきました。
原点といわれるみそラーメンはどんな味がするのか、非常に興味深いですね。

三平の味噌ラーメン1

味の三平の紹介

「味の三平」は1950年に開業。当初はみそラーメンはありませんでしたが、「味噌は体にいい」というのが持論の創業者、大宮守人氏がみそ汁をヒントに工夫を重ねて生み出されました。
新たな味のラーメンは話題を呼び、いつしか札幌ラーメン=味噌ラーメンといわれるほどになりました。

そして、味の三平の創業者はみそラーメンを生んだだけではなく、他にも今のラーメンの定番ともいえるものを生み出しています。
札幌ラーメンの特徴ともいえる「縮れ麺」。具に「もやし」、味に「にんにく」を採用したのも味の三平が最初。
札幌ラーメンの基礎はもちろん、日本ラーメンのパイオニアでもあるんですね。

ちなみに、サンヨー食品も味の三平のラーメンをインスタントラーメンにできないかと考えたのがきっかけで「サッポロ一番」を考案したそうです。

店  名…味の三平
営業時間…11:00-18:30
定  休  日…毎週月曜、第二火曜
住  所… 札幌市中央区南1条西3丁目2大丸藤井セントラル4F(MAP
オフィシャルサイト↓
元祖札幌味噌ラーメン 味の三平
 
三平の外観

こんなところにラーメン店

お店は札幌市営地下鉄大通駅から歩いて5分くらいにある、大丸藤井セントラルビルの4階になります。大通駅は、札幌駅とすすきの駅の間にあり、「雪まつり」や「よさこいソーラン祭り」の会場になる大通公園がある場所になります。
札幌駅、大通駅、すすきの駅は地下歩行空間でも繋がっているので、札幌観光の途中でも寄れますね。

駐車場はなく、近隣のパーキングは結構お高めの料金設定です。なので車はホテルなどに置いて札幌観光と合わせて電車やタクシーか歩いていくのがお勧めです。

大丸藤井セントラルビルは 札幌では有名 な文房具専門店。高級文具から画材、雑貨など多種多様な品揃えでびっしりと地下1階から4階まで取り揃えてあります。
そのビルの4階の一角に「味の三平」のラーメン店があります。

初めて店に行ったとき、本当にこんなところにラーメン店があるのかとだいぶ不安になりました。ビルの入り口に看板があるにはあるのですが、雰囲気がまるでない。しかも文具専門店なので、独自の雰囲気があってちょっと躊躇してしまうくらい。
エレベーターで4階に上がっても、いぶかしくなるほどの異空間ですが、一番奥にちゃんと店はあります。

1968年にこのビルに移転してからもう半世紀が経っているということなので、常連のお客さんには馴染みがあるのでしょうが、はじめて来るとなかなかのコントラストです。
「こんなところにラーメン店かよッ」
って流行したタイトルになぞるとこんな感じですね。

お店自体はラーメン店らしい中華風のデザインで、赤と白を基調とした雰囲気のある外観です。

カウンターのみのシンプルな店内

店内はカウンター10席のみ、家族連れも横一列で食べます。
カウンターの後ろには順番を待つ人のための座るところがありますが、昼時になると店の外にまで並ぶほどの行列になるようです。

今回は訪問したのは夕方だったのですが、それでも入れ替わり常に7、8席が埋まるくらい常にお客が来ていました。
観光客もいましたが、地元の年配の方やサラリーマンの方が多かったですね。札幌市民にも愛されているお店というのを感じます。

味の三平の内観

店内にはお土産のラーメンや創業者の写真が載った記事が貼られています。写真にはありませんが、札幌ラーメンに貢献した功績をたたえて当時の札幌市長からの表彰状なども飾られていました。
色の褪せ方が風情を感じさせる雰囲気になっています。

三平のお土産ラーメン
お土産も売ってます お取り寄せも人気

メニューにはしょう油や塩、チャーシュー麺も

三平のメニュー

メニューはみそ、しょう油、塩の定番の味と、チャーシュー麺とからい鉄火麺。特徴ある麺がいくつかありますが基本的にはシンプルですね。
焼売」も人気があるらしく、ソースをかけて食べるのが味の三平流なんだそうです。焼売は1個から注文できるので、ライスとセットで頼んでいる人が多かったです。

このラーメンとライスがセットになった「ラーメンライス」というメニューを始めたのも味の三平からということです。皿に盛るのでごはんではなくライスというネーミング。こういうこだわりが味になってきますね。

今回注文したのは定番の「みそラーメン」。
焼売も魅力だったのですが、今回は遠慮しておきました。

三平のテーブルアイテム

カウンターテーブルには割りばしとつまようじとティッシュ。
調味料は種類が多くしお、こしょう、唐辛子、味変用の辛い味噌。そして焼売用にしょう油とソース。
この割りばしとつまようじを入れる容器って昔から見かけるデザインですよね、懐かい。定食屋とかそば屋さんでよく見かけましたね。
だいたい2、3席にひとつの間隔でシェアして使うように置いてあります。

何となく店内を見渡しているうちに、ラーメンがきました。

「いざッ実食!」レポート

三平の味噌ラーメン2

大きめの丼になみなみのスープ。麺が埋もれてしまうくらいに野菜炒めがたっぷり乗っています。その上にメンマとかいわれ大根。ひき肉の暖色もあり見た目、色味も王道感があります。
見えないですが麺もたっぷり入っています。
なんか食卓に出てきそうな家庭的でシンプルなラーメンですね。

どんぶりはブルーのラインが入ったシンプルなもの。この幅広のラインが内側のラーメンをグッと引き立たせていますね。ラーメンにブルーのイメージはあまりありませんでしたが、こうしてみると丼の形状とあいまってきれいですね。
あといい意味で中華のイメージが払しょくされて、日本独自のラーメン文化に沿った印象を受けます。

みそダレに「とんこつと鶏ガラのWスープ 」

三平の味噌ラーメンのスープ

表面はラードが浮き表面は少し白濁としたスープ。
お店の人がラーメンを運んできてくれた際に「どんぶりの底にみそダレが溜まっているので麺をかき混ぜてから召し上がってください」と一言。
さっそく麺を持ち上げてスープをかき混ぜるようにすると色味も味噌の色合いになってきました。初めから混ぜないのには何かこだわりがあるのでしょうかね。考えられるのは、、香り立ちとかですかね。

ある程度かき混ぜてからレンゲでスープをすくいひとくちすすると、肉の脂をたっぷり含んだ野菜の旨みが染み出して美味しいスープでした。豚骨と鶏ガラのWスープも味に深みを増している。
味噌汁をヒントに開発したとあるように、かすかに味噌汁のような身近な味と豚骨と鶏ガラのスープのコクがラーメンのスープに仕立てあげられています。

口コミなどによっては味噌という感じがしない不思議な味との評価もあるようですが、定番の王道の味噌味という感じでした。

麺は多加水熟成の「縮れ中太麺」

三平の味噌ラーメンの麺

札幌ラーメンらしく黄色い麺なのですがイメージするものよりもだいぶ透明感がある麺です。
この透明感は熟成麺の特徴なんだそうです。熟成することによって色味が薄まり、コシが強くなり、モチモチとした食感とつるりとしたのどごしを生みます。

これも創業者が西山製麺と試作を重ね生み出された独自の麺になります。この多加水縮れ麺はそのまま札幌ラーメンとして定着。麺の色だけは透明感があるのでイメージする黄色い麺とは違いますね。

もやしたっぷりのトッピング

トッピングはもやしを中心として玉ねぎ、キャベツ、ひき肉の野菜炒め。肉の脂をたっぷり吸った野菜がとてもおいしかったです。特にシャキシャキしたもやしの食感が心地よい。野菜炒めだけでも食べたいくらいに癖になる味でした。

三平の味噌ラーメンの野菜

他のブログとかを見るとひき肉をミートボールのように塊にするといった工夫があるようですが、残念ながら出てきたラーメンはほとんどが崩れていて丼の底に沈んでしまいました。
個人的にはこういう理由でひき肉って好きじゃないんですよね。レンゲですくって食べるではなく、やっぱり野菜と一緒に味わいたいですね。

そしてメンマとかいわれ大根。
定番のメンマは表面が柔らかく噛むとコリコリとした弾力があって、かいわれ大根も彩りとしても食感や風味としてもトッピングとしていいですね。

三平の味噌ラーメンのメンマ
表面はやわらかく芯がコリコリとした食感が残る程よい歯ごたえ

まとめ

三平の味噌ラーメン完食

最後にどんぶりの底に沈んだひき肉を齧り、一杯スープをすすって完食。
(飲み干すことは控えています。。)

味噌ラーメンのルーツといわれているだけあって、今まで食べてきた味噌ラーメンにはない定番だからこその期待を十分に満たしてくれました。
昔からあるラーメン屋に期待することは、人それぞれだとは思います。
個人的に期待することは、昔食べたことのある味や懐かしさではなく、今食べて旨いと思えるかどうか、また食べたいと思うかどうか。
そういう面では「味の三平」の味噌ラーメンは今食べて美味しいと感じる、時代としても風化していない、次また食べたくなる味でした。

ラーメンを食べている間、これを家で食べれたらな、とずっと思っていました。家庭的なラーメンなのですが、なかなかいちから再現するのは難しい歴史の奥行きを感じるラーメンでした。

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